缶コーヒーの「微糖」ってどれくらい微糖なの?

「微糖」の表記は国が定める健康増進法の栄養表示基準に基づいていて、大ざっぱに分けて「絶対表記」と「相対表記」の2種類がある。絶対表記の場合、飲料中の糖類が2.5グラム/100ミリリットル以下ならば、メーカーは“低い”“控えめ”“少ない”といった表現を無条件に使用できる。これは缶コーヒー1本分(190ミリリットル)あたり角砂糖1個程度の分量だ。
 分かりづらいのが相対表記の場合。各社が独自に定めた糖類量の“標準値”からマイナス2.5グラム/100ミリリットル未満なら、「当社標準品に比較」という注意書き付きで「微糖」のような表現を使用できるのだ。
 ただし、この場合は消費者の混乱を避けるために日本コーヒー飲料協会が定める標準値を採用するメーカーも多いという。
 同協会では7.5グラム/100ミリリットルを「業界標準値」としている。この標準値を採用している「微糖」表示は糖類5グラム/100ミリリットル未満で、角砂糖2個程度に匹敵する分量になる。これだと、絶対表記の場合と差が出てしまうが……。
「平成8年に健康増進法の栄養基準制度ができた際、当時の各社の標準値を調査して決定しました。微糖の割に甘いという声もありますが、それは個人の嗜好(しこう)ですから……」(日本コーヒー飲料協会)
 ちなみに缶や紙パックなどの製品だと、100ミリリットルあたりの生豆使用量が5グラム以上なら「コーヒー」、2.5グラム以上5グラム未満なら「コーヒー飲料」となる。1缶の中にコーヒー豆より糖類の方が多いなんてこともあるのだ。
 また、「早挽き」や「深煎り」などの表示にはこれといった規定がない。同じ「早挽き」でも、文字通り挽いてすぐのものから、24時間以内に抽出すれば「早挽き」としているものまで、各メーカーによってまちまちだという。「デミタス」(エスプレッソ用の小さいカップ)と銘打っていながら、エスプレッソ抽出とは限らないなんてことも……。


<日刊現代 2006年6月24日>

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投稿者プロフィール

大西 文明
大西 文明
愛知県瀬戸市で、コーヒー豆販売の専門店Coffee SAKURAを2001年に創業し、代表をしています。
エチオピア、グアテマラ、ブラジル、インドネシアなどのコーヒー生産地へ赴いたり、各地でコーヒーセミナーを100回以上を開催しながら、普段は店舗にてコーヒー豆の販売や道具の使い方、コーヒーの入れ方、選び方をアドバイスさせていただいています。

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