ギシルコーヒー

 イエメン。
 中東にある歴史ある国で、大変古くからコーヒーが栽培され、人々に飲まれています。
 イスラム教の聖者シーク・オマールのコーヒーの発見伝説も語り継がれています。
 そんなイエメンでは、2種類のコーヒーが飲まれています。ひとつはブンと呼ばれ、普段私たちが飲んでいるコーヒーと同じコーヒーの木の種(コーヒー豆)を原料としています。
 もう一つが、ギシル。コーヒーの実から種を取り除き、果肉を乾燥させたものを原料としたコーヒー。
 コーヒー発祥の地といわれているエチオピアの一部でも飲まれていますが、その他の地域では飲むことができません。
 ところが昨年、世界で始めて両地域以外の国でギシルコーヒーが発売されました。
 それは、日本。
 岐阜県瑞浪市にある自家焙煎コーヒー店の待夢珈琲店が、取り扱いの難しいギシルの輸入に成功しました。
 以下、待夢珈琲店ホームページより抜粋。


 「ギシル」と「「ブン」 2種類のコーヒー
 イエメンでは2種類のコーヒーが飲まれています。一つは私達が日ごろ飲んでいる焙煎したコーヒー豆(種)の粉を使って作るコーヒーで、イエメンでは「ブン」と呼んでいます。もう一つは、コーヒーの赤い実の果肉を乾燥させた「皮殻」を使って作るコーヒーで、イエメンでは「ギシル」と呼んでいます。イエメン人は何故かこの「ギシル・コーヒー」を好んで飲んでいます。コーヒーのルーツとも言われ、その昔、サルタン(権力者、王様)だけに飲む事が許された大変貴重な珈琲です。
 その味は私たちが日ごろ飲んでいる芳ばしい香りと苦味が特徴のコーヒーとはまったく違い、透明感のあるライトな味わいで、どちらかというと「フレーバー・ティー」か、漢方薬の「葛根湯」によく似ています。とても血行促進に良い健康飲料で飲むと体が温かくなってきます。
 ギシル・コーヒーの作り方は、地方や家庭によって加える香料の種類が異なりますが、簡単です。まず、水を入れた鍋かポットに、焙煎したギシル(皮殻)、ジンジャー、カルダモン、クローブ、シナモンなどの香料を加えます。砂糖をたっぷり入れ弱火にかけて煮出し、数分経って琥珀色になったら茶こしで漉しカップかコップなどに注いで出来上がり。 
 現在、世界でギシル・コーヒーを飲んでいるのは、イエメンとエチオピアの一部(主にイスラム教地区)の人達だけです。
待夢珈琲店ホームページ
http://www.ac.auone-net.jp/~timecafe/

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投稿者プロフィール

大西 文明
大西 文明
愛知県瀬戸市で、コーヒー豆販売の専門店Coffee SAKURAを2001年に創業し、代表をしています。
エチオピア、グアテマラ、ブラジル、インドネシアなどのコーヒー生産地へ赴いたり、各地でコーヒーセミナーを100回以上を開催しながら、普段は店舗にてコーヒー豆の販売や道具の使い方、コーヒーの入れ方、選び方をアドバイスさせていただいています。
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