コーヒーの賞味期限

 最近は、食品偽造や日付の改ざんの話題が多く、武士道魂というか、日本人としてのプライドに欠けた事件が目に付き、大変残念です。
 年々信じられない報道が増え、これから「信じる」ということが難しくなるのではと、不安にさえ感じます。
 コーヒー屋を営んでいる立場として、産地、農薬の使用状況、製造年月日、賞味期限などを、正確にお客様に伝えることが大切だとしみじみ感じます。
 今回は、コーヒーの賞味期限についてお話します。たかが賞味期限ですが、その定義は難しく、分かりにくい表現になってしまうかもしれませんが、真面目に解説しますのでご容赦下さい。


 賞味期限というのは、おいしく食べたり、飲んだりできる期限。その期限に法律による決まりはありません。製造者が「おいしい!」と判断できる期限なのです。
 当店のお客様はご存知のように、コーヒーは煎りたてがおいしいですよね。もちろん、コーヒーメーカーの社員であれば、誰もが知っている事実です。また、焙煎後、日々味が変わることを楽しむこともでき、コーヒーによっては一週間後ぐらいにおいしさを感じる場合もあります。
 ところが、どんなコーヒーも1ヶ月も経てば、おいしくなくなります。冷凍保存(※)をすれば別ですが、真空パックにしても時間と共に進む劣化は防げません。そもそも、焙煎したてのコーヒーからは二酸化炭素が発生し続けパックの中には二酸化炭素が充満しているのです。
 時間がたっても、コーヒー豆には水分がほとんど含まれていないので腐ることがありません。だから1年経っても飲むことができますし、飲んでお腹を崩すこともそれほどありません。但し胃の弱い方は胸焼けを起すことがありますし、私自身古いコーヒーを飲むと胸焼けがします。
 残念なことに、スーパーに並んでいるコーヒー豆のほとんどが、賞味期限を製造後6ヶ月から1年としております。全日本コーヒー協会も賞味期限を1~2年として宣伝しています。
 そして、コーヒーは焙煎後に劣化を始めますので、ブレンドをした日、袋詰めをした日を製造日としていては賞味期限が延長されてしうこともあります。
 (スーパーで売られている卵はパック日と賞味期限を記載してることが多いですが、生んだ日を記載して欲しい・・・。)
 そして、賞味期限は室温に大きく影響されますので、夏場と冬場では違います。豆の状態と粉の状態でも随分変わります。
 賞味期限というのは、厳密に考えると眠れなくなってしまうのです。(笑)
 当店では、できるだけ多くのお客様に簡潔に分かりやすい表示をするため、コーヒーのパッケージに焙煎日を記載し「焙煎後1ヶ月」を賞味期限としております。(1ヶ月は28日もあれば、31日もあると言わないで下さいね。)
 焙煎後、欠点豆を取り除いて、場合によってはブレンドをし、パック詰めすると早くて当日、遅くて3日後に店頭に並びます。
 ブレンドコーヒーの場合は、一番古いコーヒー豆の焙煎日を、ブレンドコーヒーの焙煎日としております。
 賞味期限は分かりやすさを優先し、数字で示す基準。
 本当に伝えたいのは、「出来立てを飲んでいただく」ということです。お魚でもお豆腐でも、パンでもご飯でも出来立てが一番おいしいですよね。そこに商品の大きな価値があると思うのです。
(※)保存温度を10℃下げていくことで、劣化のスピードは二分の一ずつ減っていくという研究結果が報告されています。(めいらくによる研究)ですから、めいらく(スジャータ)さんは唯一スーパーの冷凍コーナーでコーヒーを販売しています。