幻のセイロンコーヒー

紅茶で有名なスリランカ セイロン島。
ウバ、キャンディ、ヌワラエリアなどが有名です。
ところが、以前は紅茶ではなく、コーヒーの生産地として有名でした。
18世紀から本格的に始まったコーヒー農園の運営は、ケンリーを中心に栽培され、多くのコーヒーがヨーロッパに輸出されました。
当時、ヨーロッパではコーヒーブームであったので、ジャワ島など世界中で移植され始めていましたが、セイロンも同様でした。
しかし、19世紀中ごろになると、空中を浮遊する菌がこの島を一変させてしまったのです。


メレイヤ・バスタトリックスという難しい名前の菌。一度では覚えられないですね。^^;
この菌がコーヒー樹の葉につくと、さび色のしみが葉の表面にできることから、さび病と言われています。
この病気にかかると、葉にしみができた後、葉が落ちてしまいます。当然ながら収穫量が激減。
菌が広がってしまう前に、病気にかかった樹を焼いてしまうことを学者達は勧めたらしいのですが、コーヒーブームに沸いていた農園主達は、それを信じることができず、空中を浮遊するこの菌は、瞬く間に島中に広まってしまいまったのです。
そして多くの農園主が破産してしまいました。
そして、その後紅茶が植えられていったのです。
19世紀後半になると、紅茶の栽培が非常に盛んになり、スリランカはインドに次ぐ紅茶生産国になっていったのです。
なんとか現在も、コーヒーの木は自生していますが、事業的な規模ではなく、国内でごく少量販売されています。
2002年12月、ケンリーを訪れ、地元の店でコーヒー生豆を購入しましたが、嗜好品として楽しむには難しいと感じました。
さび病は、コーヒーを栽培する上で、さび病に気をつけることは今では一般的になっています。
もし、当時さび病に対する知識があれば、おそらく今でもコーヒーの生産地として活躍していたのではないかと思います。