コーヒーの挽くときの熱はコーヒーの味を劣化させるのか

コーヒーのプロの中でも、コーヒーの挽き方を理解している人は少ないです。
そういう自分自身も、まだまだ理解できておらず、日々考え実験して試しています。
そのため、数年前はこういう考えだったけど、今は違う考えということも多い
というのが現実です。
これは、コーヒーの挽き方に限ったことではなく、コーヒーの入れ方、コーヒー豆の保存方法、焙煎の仕方、飲み方など、さまざまな部分で考え方があいまいになっています。
同じコーヒーのプロでも考え方や伝え方が違うことが多く、そのため人を迷わ
せたり、逆にコーヒーへの魅惑を感じていただいているのではないかと思いま
す。
コーヒーの成分は何百種類もあるといわれ(これも簡単に分析できることでは
ないので、本当かどうかわかりませんが、同じコーヒーでも限りなく様々な味
があることを考えれば大きな間違いではなかと思います)、コーヒー一杯の
中にある水分はおよそ99%。
ほとんどの人は、残り1%ほどのコーヒーの成分の違いを感じ取ることができる
ことを、僕は多くのお客様とお話してて知っています。


理屈を考えてみても、飲んでみて自分自身が感じたことが真実。知性よりも感
性。それがコーヒー。
そして、自分だけが感じたことだけではなく、多くの方々の味の感じ方をディ
スカッションし、総合的にどんな結果であるかを繰り返していけば、次第に結
論は見えてきます。
ゆっくり挽いた方が熱がでないからコーヒーが美味しいということを聞きます
が、今回はそれが本当かどうかということをお話したいと思います。
手動式のコーヒーミルで挽いたコーヒーの粉が温かく感じられるほど熱がでることは経験がありません。おそらく無理だと思います。
ですので、電動コーヒーミルで挽いて実験してみます。
電動コーヒーミルの挽くスピードを変えることは難しいので、大量のコーヒー
を挽いて、その摩擦熱により熱を持ったコーヒーの粉と、そうでないものを準
備しコーヒーを入れて実験してみます。
同じコーヒー豆を二つを準備し、ひとつを冷えた電動ミルで挽いたあと、くず豆を1kgを細挽きで挽き、もうひとつのサンプルを挽きます。
もちろん、コーヒー豆を挽く前にはミルのクリーンニングをします。
そうすると後に挽いた粉は5℃ほど上昇しました。
そのコーヒーの粉を使い、同じ条件でコーヒーを入れて、目隠しで味を確認しました。
確かに味の違いがありました。しかし、その違いはプロの僕が飲み比べて分かる程度。熱を持ったコーヒーは若干香りが弱く水っぽい味わい。雑味は全く感じませんでした。
挽いた時の熱がコーヒーの味を劣化することは理解できますが、やってみるとそれほど大きな劣化ではないと思います。
その違いよりも、コーヒーの入れ方、粉の大きさ、お湯の温度などによる違いが大きいと思いました。